美容クリニックの誕生の歴史
美容クリニックは、19世紀の終わり頃から20世紀初頭にかけて、欧米で誕生したとされています。ごく初期の段階に行われていたのは、整鼻術や顔と腹部のシワ取りだったという記録が残されています。また、乳房縮小術や豊胸術も盛んに行われていました。誕生した当初も、現代も、施術内容がほとんど同じであるというのは興味深い事実です。
第一次世界大戦が終わると、美容クリニックで行われている施術内容も、技術的に大きな進歩を遂げていきます。皮膚の手術を得意としていた形成外科医たちが、美容外科の分野に続々と参入するようになり、それまで難しいとされていた施術も可能となっていきました。この頃から、欧米では美容外科と形成外科との区別が曖昧になり、美容外科と形成外科がほぼ同じものであると認識されるようになりました。国内を見てみると、当時の日本では儒教の考え方が根強く残っていて、美容のために、手術を行うということは、まだまだ受け入れられませんでした。
ところが、第二次大戦が集結し、欧米文化が一般庶民の間にも浸透するようになると、この状況にも変化が現れ始めます。見た目を西洋人に近づけようとする美容整形が、都市部の美容クリニックを中心として、盛んに行われるようになりました。その後、試行錯誤を繰り返し、日本の美容整形技術は世界的にも高い評価を受けるまでになりました。1970年台になると、美容外科医の団体も結成され、安全性と技術の向上が一層進むことになりました。